アカモズに関する文献の追加

Xのポストで、「おでん屋」さんから、以下の論文(Aoki et al. 2021)でジオロケーターによる追跡結果から、春秋ともに日本列島から東シナ海を横断してインドネシアで越冬することが報告されているはずです」というご教示をいただきました。

onlinelibrary.wiley.com

この論文は、タイトルにアカモズの学名(Lanius cristatus superciliosus)が入っていないため、Claudeの検索から漏れてしまったようです。「おでん屋」さん、ご指摘ありがとうございます。

この論文は、アカモズと大陸亜種が祖先集団の地理的分断(バイカリアンス)によって分化したのか、それとも大陸亜種からの分散(長距離散布)によって進化したのかを、①系統解析(ミトコンドリアDNA・核DNAのハプロタイプネットワーク解析)、②種分布モデル(SDM)による最終氷期最盛期(LGM、約2万年前)の生息適地推定、③光センサー式ジオロケーター(light‑level geolocator)による渡り経路追跡、の3つのアプローチを使って検証しています。

渡りのルートについては、ジオロケーターのデータからベイズ推定を用い、アカモズの3個体について、秋季および春季の渡り経路が推定されました(図5、S1.5)。2個体については完全な年間データが得られ、残る1個体については、装着から3ヶ月のみのデータが得られました。3個体すべてにおいて、日本列島西部およびCRECS(東シナ海中央部)から台湾北部にかけての海域で、位置確率(平均値)が高く示されました。すなわち、これらの個体は朝鮮半島を経由せず、東シナ海(ECS)横断によって移動したと考えられます。また、年間データが得られた2個体とも、インドネシアのジャワ島とフローレス島で越冬したことが明らかになりました。

追加検索用のプロンプト:この論文を引用している論文をサーチし、その後の研究の進展について教えてください。

Claudeの回答:

Aoki et al. (2021)を引用している論文を調べました。直接の本文(Wiley・PMC)は認証やbot対策でアクセスできませんでしたが、CambridgeCore・Springer・researchmap等の書誌情報から、引用論文とその後の研究動向を整理できます。

Aoki et al. (2021)を引用している主な論文

Wiley上の書誌情報では、この論文の引用数は11件とされています。その中でアカモズの生態・保全に関連する主なものは以下の通りです。

1. Katayama et al. (2022) Bird Use of Fruit Orchards and Vineyards in Japan: Mitigating a Knowledge Gap with a Systematic Review of Published and Grey Literature. Ornithological Science 21(1).

www.jstage.jst.go.jp


果樹園・ブドウ園における鳥類利用に関する系統的レビューで、長野県のリンゴ果樹園に依存するアカモズの生息環境評価の文脈でAoki et al. (2021)が参照されています。

2. Mizumura, Kubota & Higuchi (2022) The endangered Brown Shrike subspecies Lanius cristatus superciliosus has a male‑biased sex ratio and only early arriving males are paired. Bird Conservation International 32(1): 87.

www.cambridge.org


(前回ご紹介した性比の偏りに関する論文です。)本論文の考察部分でも、渡り経路・越冬地・到着タイミングの解明のためジオロケーターやGPSタグなどの追跡機器の活用が必要と明記されています。

3. Mizumura, Kubota, Nishiumi, Imanishi, Mochizuki & Higuchi (2024) Hybridization and backcrossing between the endangered Brown Shrike (Lanius cristatus superciliosus) and the common Bull‑headed Shrike (L. bucephalus bucephalus). Biological Journal of the Linnean Society 142(1): 81.

academic.oup.com


これは新しい重要な知見です。個体数が激減し希少化したアカモズが、近縁の普通種であるモズ(Lanius bucephalus)と交雑・戻し交雑を起こしていることを報告しており、少数個体群化に伴う遺伝的攪乱(種の同化・遺伝的浸食)という、これまでの5要因整理(生息地減少・捕食・性比偏り・越冬地問題・人為攪乱)に加わる新たな脅威として位置づけられます。

矢原メモ:発見された交雑個体はオス1個体。母系マーカーはモズなので、オスの「アカモズ」とメスの「モズ」の交配によって生じたものである。アカモズにおける性比の偏り(雄バイアス)がこの交雑の一因となった可能性がある。当該交雑個体には胚が発達していることから、繁殖能力があることが示唆されている。雑種の子(胚)のハプロタイプはモズのハプロタイプと一致しており、その胚の母親はモズだと考えられる。

4. Yamaura, Schmaljohann, Unno, Kawamura, Kitazawa, Sato, Aoki, Okahisa & Senzaki (2025/2026) Loop vs. same route migrations of two songbird species between Japan and Southeast Asia. Journal of Ornithology 167: 71–83.

link.springer.com


これはAoki et al. (2021)の手法(光センサー式ジオロケーターによる日本-東南アジア間の渡り経路追跡)を踏襲・発展させた研究で、著者にAoki自身とKitazawa(アカモズ減少論文の筆頭著者)も名を連ねています。北海道で繁殖するキビタキとノビタキの2種を追跡し、キビタキは秋にフィリピン北部を経由してボルネオ・東ジャワへ至る島づたいの南回りルートを取り、春は中国沿岸を経由する大陸ルートで帰還するという「時計回りのループ回遊」を行う一方、ノビタキは往復とも中国経由で移動することを明らかにしました。両種とも中国東岸に重要な中継地があることも判明しています。アカモズそのものではありませんが、東アジア・オーストラリア地域フライウェイ(EAAF)における渡り鳥のジオロケーター追跡という研究群として、Aoki et al. (2021)の系譜に連なる研究です。

その後の研究動向(2021年以降)

長野県が2025〜2026年にまとめた「希少野生動植物保護回復事業計画(アカモズ)」の答申資料では、これまでの知見整理から一歩踏み込んだ記述が見られます。

1970年代以降、国内のアカモズ生息地の環境変化はそれほど大きくないと考えられていることから、全国的な減少には越冬地である東南アジアの環境変化が影響した可能性が指摘されている。

これは前回のレビューで示した「渡りルート・越冬地の要因は不明だが潜在的に重要」という位置づけから一歩進み、国内の生息地変化だけでは説明がつかず、越冬地(東南アジア)側の環境変化が主要因である可能性がより明確に指摘されるようになったことを意味します。Aoki et al. (2021)がジオロケーターで実際の渡り経路(東シナ海を横断しインドネシア方面へ至るルート)を示したことは、この越冬地要因説を検証するための土台になっています。

また、研究者の科研費(KAKENHI)情報からも継続的な取り組みが確認できます。

  • 北沢宗大氏:「北海道のアカモズがすみやすい環境は?ーアカモズの保全に配慮した森林管理の提案へー」という、繁殖地の森林管理に関する継続調査。
  • 青木大輔氏(Aoki et al. 2021の筆頭著者):「渡り経路の多様性をもたらした歴史的偶然性の解明:日本の渡り鳥に着目して」(2022〜2024年度)、「日本をモデルシステムとした渡り経路の進化における歴史的制約の相対的影響力の評価」(2023〜2026年度)といった、渡り経路の進化史的研究を継続。
  • 山浦悠一・先崎理之氏ら:「森林性鳥類の渡りルートの追跡・モデル開発―夜間照明と気候変動の影響評価・予測―」(2023〜2028年度)という大型科研費で、光害や気候変動が渡り鳥のナビゲーションに与える影響の評価・予測に取り組んでおり、Yamaura et al. (2025)のような複数種のジオロケーター追跡研究群の延長線上にあります。

サンカノゴイ(Botaurus stellaris)に関するレビュー

プロンプト1:サンカノゴイBotaurus stellarisという絶滅危惧種の鳥についてのレビューを手伝ってください。以下の点についての国内外の論文・出版物・ウェブ情報を集めて出典付きでリストを作成し、それぞれの情報源で記述されている事実と証拠を要約してください。(1)サンカノゴイの生態(生活史、主な餌、繁殖地、繁殖生態、渡りのルートなど)。(2)日本国内における繁殖地・滞在地とその環境の特徴。保護活動やモニタリングが行われていれば、その歴史と現状を要約する。(3)主要な天敵(捕食者)は何か? また、ネコによる捕食の情報。(4)個体数の減少の駆動因の候補とそれぞれの重要度。(5)保全のために必要とされる対策。


プロンプト2:千葉県印旛沼ではネコによる傷を負ったと考えられるサンカノゴイが保護された事例が2024年に報告されています。そこで以下の点について調べて、得られた情報を出典つきで要約してください。(1)印旛沼周辺でのネコの生息状況。(2)印旛沼での野鳥の保護活動の現況。その中でネコに関する監視や対策が行われているかどうか。(3)印旛沼での野鳥の保全におけるネコ以外の主要な脅威。

 

Claude:まず率直にお伝えすると、「印旛沼で2024年にネコによる傷を負ったとみられるサンカノゴイが保護された」という具体的な事例について、Web検索では該当する一次情報(報道記事や保護団体の記録)を確認できませんでした。関連しそうな情報源(日本野鳥の会千葉県の観察記録、千葉県の野生鳥獣救護窓口、地元探鳥ブログなど)を当たりましたが、この個別事例を裏付ける記述は見つかっていません。

 

プロンプト3:ウェブ上に以下の資料があります。https://www.hogoclub.org/wild-bird-rescue-center/human-impact-on-birds?pgid=ml0l1zr8-0303fd72-a75a-4c63-8b88-874f860f36e5 屋外ネコに襲われたサンカノゴイ 2024年2月11日 千葉県印旛沼で撮影

 

Claude:ご共有いただいたページを確認しました。これで事例の一次情報源が特定できました。前回「学術的な裏付けは確認できなかった」とお伝えした点を訂正し、内容を更新します。

 

以下は3回の質問への回答を統合した文書。


作成日:2026年7月20日
対象種:サンカノゴイ Botaurus stellaris(ペリカン目サギ科)
環境省レッドリスト(2020年版):絶滅危惧ⅠB類(EN)/IUCN(世界全体):低危険種(LC)

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## (1)サンカノゴイの生態

### 1-1. 形態・分類
- 全長約64~81cm、翼開長100~135cm、体重約0.87~1.94kg。サギ科最大級の「サンカノゴイ属(ずんぐり型の隠蔽的サギ)」。北方型(*B. s. stellaris*:ユーラシア〜北アフリカ)と南方型(*B. s. capensis*:南部アフリカ固有)の2亜種があり、後者は特に減少が著しく保全上の懸念が大きい。
  出典:Wikipedia「Eurasian bittern」/Animal Diversity Web/Thai National Parks

### 1-2. 生息環境・行動
- ヨシ(*Phragmites*)やガマ(*Typha*)を主体とする広大な湿地・湖沼・河川のヨシ原に生息し、遷移初期段階の抽水植物群落を好む。水田を利用することもあるが、水田で繁殖した個体は伝統的なヨシ原繁殖個体より食物の質が低く、巣立ちが遅い。<cite index="14-1,14-2">この鳥はヨシやガマ、ノコギリソウ状のスゲ類、または遷移初期段階の湿地植生を好み、これらの植生タイプは巣を守る厚い被覆と、営巣のための立ち上がった植生への足場を提供する</cite>。
- 危険を感じると首を垂直に伸ばして静止し、体の縦縞模様をヨシに同化させる「擬態(bittern posture)」で知られ、「湿原の忍者」とも呼ばれる。
  出典:Animal Diversity Web/日本大百科全書/野鳥図鑑(yachozukan.com)

### 1-3. 食性
- 動物食で、魚類・両生類(カエル)・爬虫類・甲殻類・小型哺乳類・鳥類の雛など広く捕食する。<cite index="1-1">2~7月頃大規模なアシ原の中で営巣し、魚類、両生類、小型哺乳類、鳥類のヒナなど広く動物質のものをとる</cite>。採餌は主に夕方から早朝にかけて水辺で待ち伏せする形で行う。
  出典:環境省RDB検索データ/サンカノゴイ Wikipedia

### 1-4. 繁殖生態
- 一夫多妻(polygyny)で、雄は「booming(ブーッ、ブーッという低周波の鳴き声、3km以上先まで届く)」で縄張り宣言・求愛を行う。<cite index="14-4,14-5">雄は繁殖期に低い発声("booming")を行い体力を誇示し配偶者を誘引する。この鳴き声は最大4km届くことがある</cite>。営巣・抱卵・育雛は雌のみが行い、雄は縄張り防衛に専念する。
- 産卵数は3~7個(平均5~6個)、抱卵期間約25日。雛は孵化後2~3週で巣を離れ、50~55日で独立する。ヨーロッパの研究では、巣の捕食を避けるため開水面近くの水深のある場所(水深20cm前後)を好んで営巣することが示されている。
  出典:Cramp & Simmons (1977)/WBSJプレスリリース(Gilbert et al. 2005a引用)/サンカノゴイ Wikipedia

### 1-5. 分布・渡り
- 繁殖域はヨーロッパから北アフリカ、中央アジア、極東ロシア・モンゴル・中国北部・日本まで広がる。越冬域は中央・南ヨーロッパ、地中海沿岸、サハラ以南アフリカ、南・東南アジアに及ぶ。<cite index="18-1">スウェーデン、イングランド、スペインからヨーロッパ、北アフリカ、中東、中央アジアを経てロシア極東、中国東北部、日本まで繁殖し、中南欧・地中海盆地から南・東南アジア、サハラ以南アフリカで越冬する</cite>。
- 「南・東アジア個体群」はロシア南部・南東部、モンゴル、中国北部、日本で繁殖し、<cite index="10-1">北インド、ミャンマー、中国南部・東部からから朝鮮半島、日本南部にかけて越冬し、個体数は25,000~100,000羽と推定される</cite>。ただし中国越冬個体群の具体的な渡りルートや繁殖地は標識調査・テレメトリー調査が乏しく不明な点が多い。
  出典:Martínez-Vilalta et al. (2020) *Birds of the World*/Wang et al. (2019) *Bird Study*(中国越冬個体群の渡りルート研究)

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## (2)日本国内における繁殖地・滞在地とその環境、保護・モニタリングの歴史と現状

### 2-1. 現在確認されている繁殖地・分布状況
- 日本国内では北海道北部、青森県、茨城県、栃木県、千葉県で繁殖が確認されている。北海道では夏鳥、それ以外の地域では留鳥(本州中部以南には少数が冬鳥として渡来)。
- (公財)日本野鳥の会が2020~2022年に実施した全国調査(北海道全域・青森県・茨城県の現地調査+千葉県・滋賀県・栃木県・石川県のヒアリング/文献調査)により、<cite index="57-4">北海道北部で5羽、本州以南(青森3、茨城5、栃木1、千葉3)で12羽、計17羽の雄のBoomingが確認され、これらの地域でのみ繁殖の可能性が確認された</cite>。これは<cite index="57-5">日本で繁殖する湿地・草原性鳥類のうちシマアオジ(10つがい)に次いで少ない個体数</cite>である。
- 過去に繁殖記録があった北海道中央部・東部、滋賀県琵琶湖ではその後確認が途絶えている。<cite index="57-6">北海道中央部では2018年から、琵琶湖では10年ほど前から、繁殖するオスを確認できなくなった</cite>。
  出典:(公財)日本野鳥の会プレスリリース(2024年1月15日)「サンカノゴイの全国のオスの繁殖個体数が明らかに」

### 2-2. 主要フィールドの環境特性
- **渡良瀬遊水地(栃木・群馬・埼玉・茨城4県にまたがる遊水地)**:<cite index="23-2">半分がヨシ原に覆われ、これまでに約275種の野鳥が確認され、そのうち58種が国指定の絶滅危惧種</cite>という国内屈指の湿地生態系。毎年3月に「ヨシ焼き」を行い、ヨシ原の若返り・遷移抑制を図っている。バードリサーチの平野(2018)は2008~2017年にこの遊水地で音声調査を実施し、<cite index="25-1,25-2">3つの調節池を通る全長15kmのコースで日の出前後の鳴き声調査を行った結果、雄は毎年1~5羽記録されたが年とともに有意に減少し、2013年以降は1~2羽のみとなった</cite>ことを示した。
- **琵琶湖(滋賀県)**:滋賀県立琵琶湖環境科学研究センターの資料によれば、1993~1994年度の繁殖期には湖岸の複数地点で分布が確認されていたが、その後の生きもの総合調査(2021年編)では分布域が縮小していることが図示されている。
  出典:琵琶湖生物多様性画像データベース(lberi.jp)
- **その他の記録地**:北印旛沼、東京港野鳥公園、大泉緑地、葛西臨海公園、伊豆沼など、主に越冬期・渡り期の観察記録が全国のヨシ原・湿地で散発的にある(愛知県・石川県・兵庫県などのレッドデータブックにも記載)。ただしこれらの多くは繁殖未確認で、越冬期の継続観察も広大なヨシ原のため困難とされる。
  出典:愛知県レッドデータブック/石川県レッドデータブック/但馬情報特急(兵庫県円山川河口の観察記事)

### 2-3. モニタリング・保護活動の歴史と現状
- **音声によるモニタリング手法の確立**:本種は隠蔽性が高く姿を直接確認することが困難なため、雄のBooming(鳴き声)を指標とした生息調査が国内外で標準的手法となっている。近年はマイクロフォンアレイとロボット聴覚技術(HARK)を用いた自動音源定位によるモニタリングの実証研究も行われている。
  出典:Auditory Survey of Endangered Eurasian Bittern Using Microphone Arrays and Robot Audition (PMC9019347)
- **渡良瀬遊水地での長期モニタリング**:バードリサーチ(NPO法人)による平野(2018)の10年間の音声モニタリングが、国内で最も継続的なデータの一つ。
- **全国調査(日本野鳥の会、2020~2022年)**:前述の通り、初めて全国規模でのオスの繁殖個体数を推定し、17羽という危機的な数字を公表。<cite index="57-9">今後は北海道北部を中心に繁殖環境保護のため行政機関との協働や保全への働きかけを行う予定</cite>としている。
- 渡良瀬遊水地では、イノシシの急増(2024年度に1000頭超)に対する捕獲強化プロジェクトが進行中であり、湿地生態系全体の管理の一環として関連する(サンカノゴイへの直接影響は未評価だが、営巣地の攪乱要因となりうる)。
  出典:茨城新聞クロスアイ(Yahoo!ニュース、2026年)

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## (3)主要な天敵(捕食者)とネコによる捕食

### 3-1. ヨーロッパでの知見(捕食者リスト)
- ポーランド東部の魚池群での長期研究(Polak 2007, *Ardea*)では、<cite index="42-1">捕食は個体群における巣の失敗の主要因であり、当地域でのサンカノゴイの雛・卵の潜在的捕食者はカワウソ(*Lutra lutra*)、アカギツネ(*Vulpes vulpes*)、アメリカミンク(*Mustela vison*)、タヌキ(*Nyctereutes procyonoides*)、チュウヒ(*Circus aeruginosus*)、カササギ(*Pica pica*)である</cite>と報告されている。ただし<cite index="42-2">各捕食者がどの程度の割合を占めるかは不明</cite>とされる。
- 東ポーランドの別研究では<cite index="41-1,41-2">哺乳類捕食者はアカギツネとアメリカミンク/ヨーロッパケナガイタチであった</cite>と報告。
- 卵・雛の主な死亡要因は哺乳類による捕食であることが繰り返し確認されている(Kasprzykowski & Polak 2010ほか)。
  出典:Polak (2007) *Ardea* 95(1)/Kasprzykowski & Polak (2010) *Reproduction Parameters of the Great Bittern in Fish Ponds of Eastern Poland*

### 3-2. ネコ(イエネコ・ノネコ・ノラネコ)による捕食
- **【2026年7月訂正】** 当初の調査ではサンカノゴイに特化したネコによる捕食の実証記録を確認できなかったが、その後、国内での実例が確認された。認定NPO法人NPO行徳自然ほごくらぶ(千葉県市川市、行徳鳥獣保護区で野鳥病院・救護活動を運営)の公式サイト「人間による野鳥への影響」ページに、2024年2月11日、千葉県印旛沼で屋外ネコに襲われたサンカノゴイが撮影・記録されたとの記載がある。同団体自身の会報にも記録があり、NPO行徳自然ほごくらぶ(2024)「野鳥救護にっき ネコに襲われた絶滅危惧種サンカノゴイ」『すずがも通信』(266): 3–5. として報告されている。これは野鳥病院を運営する団体自身による一次記録であり、**日本国内におけるサンカノゴイへのネコの加害を裏付ける具体的な実例**である。
  出典:NPO行徳自然ほごくらぶ「人間による野鳥への影響」https://www.hogoclub.org/wild-bird-rescue-center/human-impact-on-birds/同団体会報『すずがも通信』266号(2024年)
- 同ページによれば、<cite index="159-1">屋外にいるネコとは、人の手を離れて完全に野生化したノネコから、家と外を自由に行き来できる放し飼いネコ、地域ネコや野良ネコも含まれる</cite>とされ、ネコは<cite index="159-1">世界と日本の侵略的外来種ワースト100に選定されている</cite>。被害規模の参考値として、<cite index="159-1">アメリカ本土では年間13億~40億羽、中国では7億~55億羽の野鳥がネコの被害で死亡しているという推定もある</cite>(引用元:Loss et al. 2013 *Nature Communications*/Li et al. 2021 *Biological Conservation*)。また同ページは、<cite index="159-1">襲われた野鳥はその場では命を落とさずに野鳥病院に運び込まれたとしても、ネコの口腔内は細菌が多く歯が細長いため傷が深くなりやすいことから、感染症で死に至ることも少なくない</cite>と説明しており、印旛沼のサンカノゴイについても同様のリスクがあったと考えられる(具体的な転帰は当該ページからは不明)。
- 国内の関連研究として、長嶺隆(2020)「沖縄島北部やんばる地域におけるイエネコによる固有鳥類の捕食被害とその対策」(日本鳥学会誌69(1): 31–40)、岡奈理子(2019)「御蔵島の世界最大のオオミズナギドリ繁殖集団を激減させたノネコの影響」(森林野生動物研究会誌(44): 65–72)、Watari et al.(2025, *Mammal Study*)の御蔵島オオミズナギドリにおける野生化ネコの食性転換研究などがあるが、いずれも島嶼・海鳥での実証研究であり、内陸湿地性のサンカノゴイに関する体系的な研究は今回の調査では確認できなかった。
- 一方、日本国内では**イエネコ(ノネコ含む)による希少鳥類への捕食が広く問題視されている**。環境省は<cite index="49-2">アマミノクロウサギやヤンバルクイナなど特定の地域にしか生息していない希少な哺乳類や鳥類などを食べてしまうため、これらの動物に深刻な被害を与えている</cite>ほか、<cite index="49-3">ウミネコやオオミズナギドリなどの海鳥の巣に侵入し、卵やヒナを食べてしまう</cite>と説明している。2026年には環境省・農林水産省が「生態系被害防止外来種リスト」の対象をノネコからノラネコ・飼い猫にも拡大する方向で調整していることが報じられており、ネコによる在来生態系への捕食圧が国レベルの政策課題となっている。
  出典:環境省「希少種とノネコ・ノラネコ」/共同通信(Yahoo!ニュース、2026年)
- **評価(更新版)**:サンカノゴイに対するネコの加害は、2024年2月11日の印旛沼での事例により**実例として確認された**。ただしこれは単発の救護記録であり、(a)被害の発生頻度、(b)個体群レベルでの影響の大きさ、(c)加害個体が完全に野生化したノネコか、放し飼い・地域猫かの区別、については学術的な定量評価が存在しない。本種が地上・水際近くで営巣する隠蔽性の低い巣構造を持つこと、日本の湿地周辺には放し飼いのネコ・野良猫が多く生息すること、近縁の地上・湿地営巣性鳥類でネコによる甚大な捕食被害が実証されていることを踏まえると、ネコは「理論上の懸念」ではなく**実証された捕食リスク要因の一つ**として位置づけるべきであり、個体群サイズが17羽規模と極めて小さい本種にとっては、単発の被害でも相対的な影響が大きい可能性がある。

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## (4)個体数減少の駆動因の候補とその重要度

| 駆動因 | 内容 | 重要度(既存知見に基づく評価) | 出典 |
|---|---|---|---|
| **湿地・草原の消失/転用** | 過去100年間で1,000km²以上の湿地・草原が消失。乾燥化・埋立て、工業地域や農地・宅地への転用、近年は太陽光発電施設設置などの開発行為 | **最重要**:国内の他の湿地・草原性鳥類(チュウヒ、シマアオジ、シマクイナ、アカモズ)の減少と共通する構造的要因 | 日本野鳥の会(2024) |
| **植生遷移・ヨシ原の質的劣化** | 疎林化・樹林化によるヨシ原自体の衰退。国内のヨシ原の多くは地表が乾燥または半湿潤で、本種が選好する「湛水した広いヨシ原(水深約20cm、開水面から30m以内)」が減少 | **最重要**:渡良瀬遊水地での長期減少(平野2018)の主因として特定 | 平野(2018)/Gilbert et al. (2005a) |
| **繁殖地の局所的消失(水田の耕作放棄・改修等)** | 水田・放棄水田も生息地として利用されるが、伝統的なヨシ原に比べ食物条件が劣り繁殖成績が低い | 中程度:個体数を下支えする代替生息地の質の低さとして影響 | Animal Diversity Web |
| **捕食(哺乳類・猛禽・ネコ)** | European studiesでは巣の失敗の主要因。国内では哺乳類(イノシシ増加など)や、屋外ネコ(ノネコ・地域猫・放し飼い含む)による被害が2024年に印旛沼で実例確認済み | 中程度:欧州では主要因だが、国内でのサンカノゴイに特化した個体群レベルの定量評価は未整備。ただし小個体群(全国17羽規模)にとっては単発の被害でも相対的影響が大きい可能性 | Polak (2007)/NPO行徳自然ほごくらぶ(2024) |
| **個体群の孤立化・小規模化に伴う確率的絶滅リスク** | 国内の繁殖確認雄がわずか17羽と推定され、地域個体群が極めて少数・分断的(琵琶湖・道央では既に消失) | 高い:小個体群特有のアリー効果・近親交配・偶発的な繁殖失敗の影響を受けやすい | 日本野鳥の会(2024) |
| **気候変動** | BirdLife/Durham大学の気候変動影響予測では将来的な分布域の変化が示唆される | 現時点では国内個体群への直接的影響の実証は乏しいが、長期的リスク要因 | BirdLife International & Durham University (2009) |
| **モニタリング・生息確認の困難性そのもの** | 広大なヨシ原に生息し隠蔽性が高いため、正確な生息状況把握・要因分析が困難 | 直接の減少要因ではないが、他の要因評価の精度を下げ、対策の遅れにつながる間接的リスク | 平野(2018)/日本野鳥の会(2024) |

**総括**:既存の日本語文献(日本野鳥の会2024、平野2018)が一致して指摘する最有力の駆動因は、①湿地・草原の消失・転用と、②残存するヨシ原の「湛水した広いヨシ原」という質的要件を満たさなくなっていること、の2点である。捕食(哺乳類、ネコを含む)は欧州の研究では主要な繁殖失敗要因として位置づけられているが、日本国内でのサンカノゴイに関する定量的評価は現時点で確立していない。

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## (5)保全のために必要とされる対策

### 5-1. 国内文献が示す具体策
- **繁殖地情報の集約と配慮体制の構築**:<cite index="57-8">繁殖地があれば、地域住民・行政機関・開発事業者がその存在に配慮した行動を取る必要がある</cite>。
- **湿地環境の保全・回復**:<cite index="57-8">水深20cm程度の広大なヨシ原の存在が繁殖に重要であることから、そのような湿地の保全と、環境が悪化している場合の回復の試み</cite>が必要(環境省2014のRDB記載に基づく)。
- **好適繁殖環境の創出・管理の技術的深化**:<cite index="57-9">好適な繁殖条件・環境をより詳しく調べ、既存の繁殖地周辺での繁殖可能な環境の創出と管理を行う</cite>必要性が指摘されている。
- **継続的モニタリング体制の維持・拡充**:音声による生息調査の継続、および渡良瀬遊水地のような長期定点調査の他地域への展開。

### 5-2. 英国の成功事例(比較参照モデル)
- 英国では1997年に<cite index="66-3">11羽まで減少し二度目の国内絶滅の危機に瀕していた</cite>が、RSPBとNatural Englandによる大規模なヨシ原の創出・修復事業により、<cite index="67-1">2024年には283羽の発声雄が記録され、モニタリング開始(1990年)以来最大の年間増加率(前年比20%増)</cite>を達成した。<cite index="72-3">主要因は広範な排水事業による湿地の農地転換と、狩猟・皮革・卵採集による捕獲圧であった</cite>。回復の鍵は<cite index="72-2">RSPB保護区における湿地の丁寧な管理によるヨシ原の維持・拡大</cite>であり、<cite index="70-1">干拓地・採石跡地を利用した大規模な湿地再生(例:RSPB Ouse Fenでは180haの湿地創出)</cite>も奏功している。また<cite index="69-4">大規模で密な魚類資源を持つ湿地ブロックの重要性</cite>が科学的研究で特定され、それに基づいて再生候補地が選定された点も特筆される。
  出典:RSPB, Natural England各種プレスリリース/UCL分析記事(2023)

### 5-3. 対策の優先順位(本レビューのまとめ)
1. **既存繁殖地の特定・保全の法的裏付け強化**:国内希少野生動植物種指定(種の保存法)の適用検討を含め、開発行為からの直接的な保護を確保する。
2. **ヨシ原の水文管理(湛水化)**:単なる面積維持ではなく、「水深のある湛水したヨシ原」という質的な生息条件の再現・維持に特化した管理(水位操作、ヨシ焼き等の伝統的管理との組み合わせ)。
3. **英国型の大規模湿地再生モデルの導入検討**:干拓地・遊水地・採石跡地などを対象とした計画的な湿地再生と、繁殖に適した水深・開水面比率の設計。
4. **捕食圧の実態把握とネコ対策の検討**:国内における哺乳類(イノシシ、アライグマ、ノネコ等)による営巣・卵・雛への影響を定量的に評価する調査の実施。2024年に印旛沼で屋外ネコによる加害の実例が確認されたことを踏まえ、生態系被害防止外来種リストの運用強化など全国的なノネコ・ノラネコ対策の枠組みの中で対応しつつ、サンカノゴイの生息地・繁殖地周辺(特に集落・水田に近接するヨシ原)での飼い猫の室内飼育徹底の呼びかけや、地域猫TNR活動と野鳥保護の連携強化を検討する。
5. **全国的・継続的モニタリング体制の制度化**:単発調査(2020~2022年)を一過性で終わらせず、定期的な全国繁殖状況調査として制度化する。
6. **地域住民・開発事業者との協働体制の構築**:日本野鳥の会が示す通り、行政・地権者・NPOの協働による保全計画の策定。

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## 追補:千葉県印旛沼における事例と地域的知見(2026年7月追加)

2024年2月11日に印旛沼で屋外ネコに襲われたサンカノゴイが確認された事例(NPO行徳自然ほごくらぶ記録)を受けて、印旛沼固有の状況を追加調査した。

### 追補-1.印旛沼周辺でのネコの生息状況
- 印旛沼に特化した学術的な生息数調査は確認できなかったが、周辺自治体(佐倉市・印西市など)はいずれも飼い主のいない猫(野良猫・地域猫)対策の制度を持つ。佐倉市は公益財団法人どうぶつ基金の「さくらねこ無料不妊手術事業」に参加しTNR(捕獲・不妊去勢・元の場所へ返す)を実施、印西市も2019年施行の要綱で地域猫の不妊去勢手術費用を助成している。
- これらの制度の存在は、印旛沼周辺の市街地・集落部に一定数の飼い主のいない猫が生息することを示すが、いずれも動物愛護・地域トラブル防止を目的とした枠組みであり、**野鳥保護の観点からネコの生息密度や分布を定量的に把握した調査ではない**。
  出典:佐倉市「飼い主のいない猫について」/環境省「猫の保護(愛護)及び管理に関する条例、規則、要綱等の概要」(印西市の記載)

### 追補-2.印旛沼での野鳥保護活動の現況とネコに関する監視・対策の有無
- 日本野鳥の会千葉県が印旛地区で定例の探鳥会・観察記録を継続しており、サンカノゴイ、ヨシゴイ、オオセッカ、コジュリンなど希少種を含む目撃記録が2024年も月次で蓄積されている(市民参加型の観察記録であり、体系的な脅威モニタリングではない)。
- 全国調査(日本野鳥の会2020~2022年)では千葉県内2カ所(印旛沼含む)で繁殖期の雄計3羽が確認され、同会は繁殖に欠かせない湿地(ヨシ原)の再生を求めている(東京新聞2024年1月18日報道)。この文脈では捕食者対策よりも生息環境の再生・保全が優先課題として語られている。
- 印旛沼環境基金(公益財団法人)は水生植物・魚介類・鳥類の継続調査を行っているが、水質・生態系全体(食物連鎖の基盤)に焦点があり、ネコなど個別の捕食者管理は活動内容に含まれていない。
- 屋外ネコ問題そのものへの取り組みとしては、NPO行徳自然ほごくらぶ(市川市、印旛沼とは別の団体拠点)が野鳥病院運営の一環として「屋外ネコによる被害」を一般への啓発項目として掲げ、完全室内飼育の徹底を呼びかけている。
- **評価**:現時点で確認できた範囲では、印旛沼において「ネコ」を対象とした野鳥保護目的の監視・捕獲等の対策は確認できない。既存の猫対策(自治体のTNR事業)と野鳥保全との連携は資料上明示されていない。
  出典:日本野鳥の会千葉県「鳥だより_印旛地区_2024年」/東京新聞デジタル(2024年1月18日)/印旛沼環境基金/NPO行徳自然ほごくらぶ

### 追補-3.印旛沼での野鳥保全における、ネコ以外の主要な脅威
印旛沼環境基金の資料から、鳥類(サンカノゴイを含む湿地依存種)への脅威として以下が挙げられる。
1. **水質の慢性的な悪化**:西印旛沼はCOD値が長期的に増加傾向を示し、全国湖沼水質ランキングで平成23~29年度まで7年連続で全国ワースト1位となるなど改善が進んでいない。
2. **水生植物相の劣化(餌資源の基盤の消失)**:昭和44年竣工の「印旛沼開発事業」以降、沼が二分され水質悪化とともに沈水植物種数が大きく減少。オニビシの異常繁茂とその後の大規模刈り取りにより、在来沈水植物がほぼ消失した経緯がある。
3. **特定外来生物の侵入・拡大**:南米原産の水草ナガエツルノゲイトウが分布を拡大しているほか、カミツキガメ、オオクチバス・ブルーギルなどの外来種が侵入・自然繁殖し、生態系ピラミッドの構造を大きく変化させている。
4. **周辺水田の環境変化**:水質悪化・餌動植物の減少に加え、周辺水田の冬季乾田化・耕転が進み、湛水環境を好むサンカノゴイのような種にとって特に不利な生息地の質的劣化が生じている。
5. **開発事業に伴う地形改変(構造的要因)**:昭和44年の印旛沼開発事業による沼の分断が、現在に至る生態系変化の出発点となっている。
- **総括**:印旛沼における野鳥保全上の脅威は、水質汚濁・餌資源基盤の劣化・外来種侵入・水田の乾田化という複合的要因が主体であり、これは全国的な減少要因(湿地・草原の消失、ヨシ原の質的劣化)の典型例といえる。ネコによる捕食は2024年の事例により実証されたが、これら構造的な環境劣化要因と比べて、現時点では規模・頻度の定量評価がなされていない。
  出典:印旛沼環境基金「第5章 印旛沼の生態系」「第4章 印旛沼および流入河川の水質と汚濁負荷」/千葉県「印旛沼・手賀沼の外来水生植物」

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## 主要参考文献・出典一覧

1. サンカノゴイ - Wikipedia(日本語版)https://ja.wikipedia.org/wiki/サンカノゴイ
2. Eurasian bittern - Wikipedia(英語版)https://en.wikipedia.org/wiki/Eurasian_bittern
3. 環境省 生物多様性センター RDB検索(第6回自然環境保全基礎調査)https://www.biodic.go.jp/reports2/parts/6th/6_bird/6_bird_07.pdf
4. (公財)日本野鳥の会 プレスリリース(2024年1月15日)「絶滅危惧ⅠB類(鳥類)『サンカノゴイ』の全国のオスの繁殖個体数が明らかに」https://www.wbsj.org/activity/press-releases/press-2024-01-15/
5. 平野敏明(2018)「渡良瀬遊水地における繁殖期のサンカノゴイ雄の減少」Bird Research 14: A13-A22.https://www.jstage.jst.go.jp/article/birdresearch/14/0/14_A13/_pdf/-char/ja
6. 環境省(2014)レッドデータブック2014 第2巻 鳥類/環境省レッドリスト2020(別添資料3)https://www.env.go.jp/content/900515981.pdf
7. 渡良瀬遊水地 WATARASE YUSUICHI「渡良瀬遊水地の自然」https://watarase.or.jp/wild/
8. 滋賀県立琵琶湖環境科学研究センター「琵琶湖生物多様性画像データベース:サンカノゴイ」https://www.lberi.jp/iframe_dir/data/botaurus-stellaris/index.html
9. 愛知県レッドデータブック(サンカノゴイ)https://kankyojoho.pref.aichi.jp/rdb/pdf/animals/species/cyou/サンカノゴイ.pdf
10. 石川県レッドデータブック(サンカノゴイ)https://www.pref.ishikawa.lg.jp/sizen/reddata/rdb_2009/4_ato/kennsaku2/documents/2-4sankanogoi_1.pdf
11. 環境省「希少種とノネコ・ノラネコ」https://www.env.go.jp/nature/kisho/noneko.html
12. Polak, M. (2007) Nest-Site Selection and Nest Predation in the Great Bittern *Botaurus stellaris* Population in Eastern Poland. Ardea 95(1): 31–38. https://bioone.org/journals/ardea/volume-95/issue-1/078.095.0104
13. Kasprzykowski, Z. & Polak, M.(2010)Reproduction Parameters of the Great Bittern in Fish Ponds of Eastern Poland.
14. Martínez-Vilalta, A., Motis, A. & Kirwan, G. M. (2020) Eurasian Bittern (Botaurus stellaris), version 1.0. Birds of the World. https://birdsoftheworld.org/bow/species/grebit1/cur/introduction
15. Wang, N. et al. (2019) Annual migration routes, stopover patterns and diurnal activity of Eurasian Bitterns wintering in China. Bird Study. https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/00063657.2019.1608906
16. Animal Diversity Web「Botaurus stellaris」https://animaldiversity.org/accounts/Botaurus_stellaris/
17. BirdLife International DataZone「Eurasian Bittern Species Factsheet」https://datazone.birdlife.org/species/factsheet/eurasian-bittern-botaurus-stellaris
18. RSPB各種プレスリリース(Bittern boom counts 2022-2024)https://www.rspb.org.uk/whats-happening/news/booming-bitterns
19. UCL News「Analysis: Why Britain's loudest bird is booming after decades of decline」(2023)https://www.ucl.ac.uk/news/2023/apr/analysis-why-britains-loudest-bird-booming-after-decades-decline
20. 但馬情報特急「サンカノゴイ:ヨシ原の忍者」https://www.tajima.or.jp/nature/animal/119104/
21. NPO行徳自然ほごくらぶ「人間による野鳥への影響」https://www.hogoclub.org/wild-bird-rescue-center/human-impact-on-birds
22. NPO行徳自然ほごくらぶ(2024)「野鳥救護にっき ネコに襲われた絶滅危惧種サンカノゴイ」『すずがも通信』(266): 3–5.
23. 長嶺隆(2020)「沖縄島北部やんばる地域におけるイエネコによる固有鳥類の捕食被害とその対策」日本鳥学会誌 69(1): 31–40.
24. 岡奈理子(2019)「御蔵島の世界最大のオオミズナギドリ繁殖集団を激減させたノネコの影響」森林野生動物研究会誌 (44): 65–72.
25. Watari, Y. et al. (2025) Unexpectedly early and drastic dietary shift of feral cats to seabirds. Mammal Study 50(3).
26. 佐倉市「飼い主のいない猫について」https://www.city.sakura.lg.jp/soshiki/seikatsukankyoka/146/3574.html
27. 環境省「猫の保護(愛護)及び管理に関する条例、規則、要綱等の概要(令和3年4月1日現在)」https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/files/r03/1_3.pdf
28. 日本野鳥の会千葉県「鳥だより_印旛地区_2024年」https://chibawbsj.com/12_report/location/inba_2024.html
29. 東京新聞デジタル「『湿原の忍者』サンカノゴイのすみか守って 千葉県内で確認わずか3羽」(2024年1月18日)https://www.tokyo-np.co.jp/article/303530
30. 公益財団法人印旛沼環境基金「第5章 印旛沼の生態系」https://www.i-kouiki.jp/imbanuma/environment05.html
31. 公益財団法人印旛沼環境基金「第4章 印旛沼および流入河川の水質と汚濁負荷」https://www.i-kouiki.jp/imbanuma/environment04.html
32. 千葉県「印旛沼・手賀沼の外来水生植物」https://www.pref.chiba.lg.jp/suiho/kasentou/ias/index.html

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**留意事項**:本レビューはウェブ公開情報(プレスリリース、レッドデータブック、査読論文アブストラクト、NPO公式サイト等)を横断的に収集したものであり、査読論文の全文精読による網羅的レビューではありません。「ネコによる捕食」については、2024年2月11日に千葉県印旛沼で確認された実例(NPO行徳自然ほごくらぶ記録)により実証されましたが、個体群レベルでの被害頻度・規模についての定量的な学術データは依然として乏しく、一般的知見からの推論を含む点にご留意ください。より厳密な学術レビューを行う場合は、Bird Research誌、日本鳥学会誌『Ornithological Science』、Strix等の一次資料、およびNPO行徳自然ほごくらぶ『すずがも通信』266号の全文確認を推奨します。
 

福岡市・佐賀市・千葉市におけるコアジサシ繁殖地の現状

以前から注目しているコアジサシ繁殖地3地点(福岡市・佐賀市・千葉市)の現状について調べてみた。

 

福岡市海の中道公園:

以前に(2000年ころ)、ネコが繁殖地の近くで目撃され、ネコによる幼鳥の捕食が危惧された。しかしここ数年は、コアジサシの繁殖が確認されていない。デコイを設置して繁殖を促す市民活動が行われているが、成果につながっていない。以下のウェブ記事ではカラスの脅威が指摘されている。

2020年6月7日

https://uminaka-park.jp/blog/volunteer/oblog-339.html

2024年6月7日

https://www.npo-fwcrg.org/post/6-7%E3%82%B3%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%B5%E3%82%B7%E9%80%9F%E5%A0%B1

2025年4月13日

https://www.instagram.com/p/DIYcNGhxseq/

2025年6月26日

https://www.npo-fwcrg.org/post/6-7%E3%82%B3%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%B5%E3%82%B7%E9%80%9F%E5%A0%B1

2025年7月26日

https://www.npo-fwcrg.org/post/7-5-%E3%81%86%E3%81%BF%E3%81%AA%E3%81%8B%E3%81%AE%E3%82%B3%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%B5%E3%82%B7

 

海の中道公園に隣接する西戸崎の砂浜では,、昨年、5年ぶりに繁殖が確認されている。

mainichi.jp

 

佐賀市:

ネコによる捕食が推測されているが、目撃による直接的証拠はないようだ。

2021年6月18日

https://www.sagatv.co.jp/news/archives/2021061806275

2022年5月10日

https://www.sagatv.co.jp/news/archives/2022051009523

https://www.youtube.com/watch?v=gr0z1cVaz4M

 

千葉市:2022年5月23日~

令和元年に2年ぶりに繁殖に成功した。

カラスの脅威があり、カラス除けが設置されている。

6月28日の記事で「猫がコアジサシのヒナを捕食している情報が入ってきました」とい書かれている。

https://www.city.chiba.jp/kankyo/kankyohozen/hozen/shizen/sizen_koajisashi_kiroku_r02.html

コアジサシ(Sternula albifrons)の保全に関するレビュー

コアジサシについては、福岡市海の中道公園で保全活動が行われており、ネコによる捕食圧についても警戒されているので、以前から関心を持っています。佐賀市や千葉市での保全活動や産卵状況についても、情報を得ています。今回、あらためてClaudeに以下の質問をして、文献レビューを行いました。

なお、コアジサシについては、環境省「コアジサシ繁殖地の保全・配慮指針」(2014年)

chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.env.go.jp/content/900494427.pdf

が基本文献です。

プロンプト:コアジサシSternula albifronsという絶滅危惧種の鳥についてのレビューを手伝ってください。以下の点についての国内外の論文・出版物・ウェブ情報を集めて出典付きでリストを作成し、それぞれの情報源で記述されている事実と証拠を要約してください。(1)コアジサシの生態(生活史、主な餌、繁殖地、繁殖生態、渡りのルートなど)。(2)日本国内において目撃数が多い地点とその環境の特徴。保護活動やモニタリングが行われていれば、その歴史と現状を要約する。(3)主要な天敵(捕食者)は何か? また、ネコによる捕食の情報。(4)個体数の減少の駆動因の候補とそれぞれの重要度。(5)保全のために必要とされる対策。

 


1.コアジサシの生態

分類・分布

コアジサシはチドリ目カモメ科に属する小型のアジサシ類で、世界的には4〜6亜種に分けられ、日本に渡来するのは東アジア・オセアニアに分布する Sterna(Sternula)albifrons sinensis 亜種である。世界的にはヨーロッパ、アフリカ、アジア、オーストラリアなど温帯・熱帯域に広く分布し、日本では北海道を除く本州以南に夏鳥として渡来・繁殖する(環境省 コアジサシ繁殖地の保全・配慮指針, 2014)。

形態

全長約26〜28cm、翼開長約53cm。夏羽は額が白く頭頂から後頭・過眼線が黒く、翼上面と背は青灰色、腰から尾・下面は白色で尾は燕尾。嘴は黄色く先端が黒、脚は橙色。冬羽は嘴・脚が黒くなる(生物多様性センター;環境省指針)。

食性・採餌

魚食性で、河川・海の表層近くを泳ぐ体長10cm程度の小魚を主に捕食するほか、小型のイカやエビ類を捕食することもある。水面数m上空を飛翔しながら獲物を見つけるとホバリングし、急降下して水中に飛び込んで捕らえる。東京湾周辺での主な餌はカタクチイワシとされる(環境省指針;albatrossday.org)。採餌は河川の中・下流域や河口、沿岸の浅瀬で行われることが多く、コロニーは大きな水辺の近くに形成され、採餌場から2km以上離れた場所にコロニーができることは稀である(albatrossday.org)。

繁殖生態

  • 4月中〜下旬に日本へ渡来し、雄が魚をくわえてメスに与える「求愛給餌」でつがいが形成される。
  • 巣は砂礫地や砂浜の裸地に浅いくぼみを掘るだけの簡素なもの。抱卵中は座っているか立っているかで判別する。
  • 一腹卵数は2〜3個。雌雄交代で約19〜21日間(文献により約20日、あるいは約3週間と表記)抱卵する。
  • 孵化後2〜3日で雛は巣を離れて周囲を歩き回り、親からの給餌を受けながら育ち、孵化後約3週間で飛翔可能になる。巣立ち後も親の給餌は続く。
  • 繁殖はコロニー(集団繁殖地)を形成して行われ、一か所に数十〜数百個体、過去には数千個体規模のコロニーも確認されたが、近年は大規模なコロニーは稀になっている(albatrossday.org;環境省指針)。
  • 抱卵中の個体の目線より草丈が高い場所では繁殖せず、草の生えない裸地(河原、中州、砂浜、埋立地・造成地など)を好む。ただしハマヒルガオなど草丈の低い植物間で産卵する例もある(albatrossday.org)。
  • 繁殖コロニーはおよそ5月から8月まで維持され、繁殖に失敗して再繁殖する場合は期間が延長することもある(環境省指針)。

渡りのルート・越冬地

コアジサシは渡り鳥で、繁殖後8月頃に干潟などへ集結し、南方へ渡去する。標識調査(バンディング)や国際協力調査により、越冬地はオーストラリア(当初は南東部と考えられていた)のほか、より詳細にはフィリピン、パプアニューギニア、オーストラリア北東部などであることが近年のジオロケーター調査で明らかになってきた。日本鳥類保護連盟は2013年に大阪・静岡・東京・千葉・茨城で100羽にジオロケーター(重量1.2g)を装着する調査を実施し、コアジサシが最短ルートで南下するのではなく、島伝いに越冬地と日本を往復していることを示した(日本鳥類保護連盟「コアジサシの渡りを調べる」)。東アジア全体の渡りルートとしては、カムチャツカ半島・サハリン・朝鮮半島・日本列島を経由して南西諸島から台湾・フィリピン・インドネシアに至るルートと、中国南部を経由して東南アジアに至るルートが主とされる(農林水産省資料, 金井裕)。中継地(渡りの経由地)については依然として調査が不十分で、保全対象として位置づけられていないことが課題として指摘されている(日本鳥類保護連盟)。


2.日本国内での目撃・繁殖地の多い地点と保護活動

主な地点と環境の特徴

環境省の指針によれば、コアジサシの繁殖環境は「自然環境(河原・中州・砂浜)」「埋め立て地など人工的環境」「人為的に創出された環境(人工島・建造物屋上など)」の3タイプに大別される(環境省指針, 2014)。代表的な事例地は以下の通り。

  • 東京湾岸(森ヶ崎水再生センター屋上、東京都大田区昭和島):2001年に下水道施設の屋上で偶然コアジサシの営巣が発見され、以後NPO法人リトルターン・プロジェクト(LTP)が東京都下水道局・大田区と協議しながら人工営巣地として整備している。当初はコンクリート敷きで営巣が不安定だったため、砂利を敷いてシェルターを設置し、飛来前の除草、デコイ設置、鳴き声の再生による誘引などの管理を継続している(note.com/一羽一会;albatrossday.org講演資料;東京都生活文化局)。
  • 千葉県三番瀬・谷津干潟:春〜秋にコアジサシが観察される干潟で、8月中旬の渡去前には数千羽規模のコアジサシがその年生まれの幼鳥を連れて集結することが報告されている(三番瀬図鑑;千葉県三番瀬自然環境データベース)。
  • 千葉市(新浜リサイクルセンター跡地、ビオトープそが等):2001年に人工繁殖地を整備し300個のデコイを設置、2002年には東京電力千葉火力発電所敷地内にも人工繁殖地を整備した事例がある(環境省指針 事例1)。
  • 栃木県宇都宮市:1996年に繁殖誘致を目的とした約1,300㎡の人工島を造成し、1997年に56巣、1998年に96巣の営巣が確認され、多数の雛が巣立った(環境省指針 事例2)。
  • 神奈川県酒匂川:日本野鳥の会神奈川支部の「酒匂川コアジサシプロジェクトチーム」が1991年から看板・ロープ設置による保護活動を継続し、1995年にコアジサシが小田原市の「市の鳥」に指定された。1996年以降、条例に基づく人工台地の造成、下水道管理センター屋上や中学校屋上でのデコイ設置などが行われている(環境省指針 事例5)。
  • 福島県夏井川河口:日本野鳥の会いわき支部が長期にわたり繁殖保護活動を行っており、福島県立自然公園条例により5月1日〜8月31日の立ち入り禁止区域(約12ha)が設定されている(環境省指針)。
  • 大阪湾岸・関西国際空港、中部国際空港(セントレア):2013年頃から関西国際空港・中部国際空港の誘導路周辺にコアジサシが営巣するようになり、航空機とのバードストライクが急増した。国土交通省の検討委員会はコアジサシを「問題鳥種」の一つに位置づけ、中部国際空港では草地化・アスファルト乳剤散布・防鳥ネット・犬の活用・巡回強化などによりコロニー形成の阻止を図っている(Wikipedia;環境省指針 事例10・11)。
  • 福岡県博多湾:NPO法人ふくおか湿地保全研究会が6月末頃からのコロニー形成を継続観察しており、以前は数百個体規模だったコロニーが近年は数十個体規模に縮小していると報告している(ふくおか湿地保全研究会)。
  • その他、天竜川、九十九里浜、多摩川、検見川、茨城県日川浜など全国の河口・海岸・河川敷が繁殖地として記録されている(環境省指針の写真・事例)。

モニタリングの歴史と現状

環境省(旧環境庁を含む)は昭和63年度(1988年度)から平成23年度(2011年度)まで、全国の定点調査(コアジサシ等定点調査)を継続的に実施し、飛来数・営巣数・巣立ち率などのデータを蓄積してきた。この結果、日本国内での巣立ち率(繁殖成功率)は多くの年で10%未満と著しく低いことが明らかになった(環境省指針, 2014)。同指針では、飛来数はコロニーの外から一定時間観察し、天敵への一斉飛翔時の個体数を10羽・100羽単位でカウントする方法、営巣数は抱卵姿勢の個体数をカウントする方法などが示されており、コロニーへの立ち入りを避けることが原則とされている。地域レベルでは、リトルターン・プロジェクト(東京)、酒匂川コアジサシプロジェクトチーム(神奈川)、日本野鳥の会いわき支部(福島)、ふくおか湿地保全研究会(福岡)など、NPO・野鳥の会支部・ボランティアによる継続的なモニタリングと保全活動が各地で行われている。ただし全国的なモニタリング体制は限定的で、営巣地が年ごとに変わりやすいコアジサシの特性上、個体数の全国的な把握は依然として難しい課題とされている(albatrossday.org「個体数のモニタリング」の項)。


3.天敵(捕食者)とネコによる捕食

環境省の指針(2014)は、コアジサシの主な捕食者としてカラス類(Corvus spp.)、カモメ類(ウミネコなど)、チョウゲンボウなどの猛禽類、ノネコを挙げている。捕食対象は卵から雛、幼鳥、成鳥にまで及び、コロニーが全滅する事例も報告されている。地域差もあり、東日本ではチョウゲンボウによる捕食事例が多く、新潟海岸ではウミネコによる捕食が記録されている。捕食による被害は、新しく形成されたコロニーよりも、毎年継続して利用される場所の方が大きい傾向があるとされる(環境省指針)。

ネコによる捕食

  • 森ヶ崎水再生センター(東京)の事例では、天敵として「カラスやノネコ、アライグマ、ハクビシン」への対策が実施されており、地上で営巣するコアジサシにとってネコ・イヌによる捕食は大きな脅威になり得ると指摘されている(Wikipedia;キヤノン バードブランチプロジェクト)。ただし、見晴らしの良い裸地で集団繁殖する習性が、地上徘徊性の捕食者に対する一定の防衛効果(一斉威嚇・集団監視)につながっているとも解説されている(キヤノン バードブランチプロジェクト)。
  • 沖縄のフィールド情報では、砂浜や埋め立て地・荒れ地で繁殖するコアジサシは、人の立ち入りに加え「ネコなどに繁殖が阻害されることがある」と明記されている(おきなわカエル商会)。
  • 環境省の指針の保全手法の項では、「ノネコのように地上を移動する捕食者には物理的な遮へいが有効」であり、「コロニーの近くでノネコに餌をやらない」ことが繁殖地周辺の啓発として求められるとしている(環境省指針, Ⅵ章7.捕食者対策)。
  • 一般的な絶滅危惧種とネコの関係については、環境省が別途「希少種とノネコ・ノラネコ」ページで、ノネコ・ノラネコがウミネコやオオミズナギドリなど海鳥の巣に侵入し卵や雛を捕食する事例を挙げている(環境省 希少種とノネコ・ノラネコ)。この文脈は海鳥コロニー一般に関するものであり、コアジサシに特化した定量的な捕食率データは今回の検索では確認できなかったが、地上営巣性の海鳥に共通する脅威としてネコ対策の重要性が繰り返し言及されている。

海外の知見(比較)

英国では、1995〜2002年のデータに基づく分析で、繁殖失敗の最も多い原因は人的攪乱ではなく捕食であったと報告されており、最も多く記録された捕食者はアカギツネ(Vulpes vulpes)とチョウゲンボウ(Falco tinnunculus)であった(Ratcliffe 2003、ScienceDirect掲載論文の引用)。キツネ対策や捕食者侵入防止フェンスは地上性捕食者には有効だが、空中からの捕食者(猛禽類)への対策は依然として難しいとされている(同論文)。モロッコの調査では、潮が満ちると陸生捕食者や人がアクセスできなくなる島状の砂州(全体の88.6%の巣が集中)で繁殖成功率が高いことが報告されている(Tandfonline誌の論文)。


4.個体数減少の駆動因(候補)とその重要度

環境省の指針(2014)はコアジサシを取り巻く問題点として以下を整理しており、これらは概ね重要度の高い順に配置されていると解釈できる。

  1. 繁殖環境(営巣適地)の減少 ― 最も根本的な要因 砂防堰堤・ダム・河口堰の建設により河川の流況が安定し洪水が減少した結果、河川敷・中州の草地化が進行し、コアジサシが好む植被率の低い砂礫地が減少した。また河口部では砂礫の供給量減少により砂浜面積が縮小し、高波の影響を受けやすくなった。現在は造成地にできる一時的な裸地の利用が増えているが、これらは将来にわたり保証されない不安定な環境である(環境省指針 Ⅱ章1)。

  2. 低い繁殖成功率(巣立ち率10%未満) 自然災害(台風の風雨による河川の増水・海岸の高波での卵・雛の流失、透水性の悪い裸地やコンクリート上での雨水による卵の死亡)、天敵による捕食、そして近年増大している人間活動の影響が複合的に作用し、雛が飛べるようになる割合は例年1割に満たないことが多い(環境省指針 Ⅱ章2、全国調査データ)。コロニー規模の縮小(かつての1,000羽超規模のコロニーの減少)は天敵に対する集団防衛力の低下にもつながっていると考えられている。

  3. 繁殖の阻害(人為的影響)

    • 人の立ち入り:四輪駆動車の乗り入れ、釣り、サーフィン、海水浴、犬の散歩(リードを外した放し飼いを含む)などのレクリエーション利用による卵・雛の踏みつけ、四輪駆動車のわだちによる雛の移動阻害。
    • カメラマンの接近:被写体としての人気から、撮影目的での接近が親鳥の警戒・給餌の遅延・熱射からの保護不能につながり、また人の集中がカラス類など天敵に営巣地の存在を気づかせる結果にもなる。
    • 調査者の影響:環境アセスメント等で知見の乏しい調査員がコロニーに立ち入ることによる攪乱。
    • 工事の影響:着工前の造成地での営巣に工事関係者が気付かず作業を進めるケース。 (環境省指針 Ⅱ章3(1))
  4. 天敵による捕食(上記3.参照):カラス類、チョウゲンボウなどの猛禽類、ウミネコ、ノネコ・タヌキなど。

  5. 採餌環境の減少 海岸の干潟など浅瀬の採餌環境の減少により、営巣地と採餌場が離れている場合、親鳥が長距離を移動する必要が生じ、繁殖への負荷が増すとともに、卵・雛を残して不在にする時間が長くなることで捕食機会も増加する(環境省指針 Ⅱ章3(3))。

  6. 航空機との衝突(バードストライク)問題 海上・沿岸空港の未利用地はコアジサシにとって好適な営巣環境となりやすく、関西国際空港・中部国際空港周辺での営巣増加とバードストライク急増が2013年頃から報告されている。これは種の保護と航空安全の両面で課題となっている(環境省指針 Ⅱ章4;Wikipedia)。

海外(英国)の知見では、生息地の改変・人的攪乱・捕食に加えて、気候変動に関連する海面上昇や夏季の高潮が近年の再減少要因として挙げられており(LIFE Little Terns プロジェクト報告)、日本国内の議論では明示的に強調されていないものの、同様の環境変動リスクが将来的な脅威となりうる。

重要度の総合評価:国内の公式文書・研究者の議論を総合すると、最も基盤的かつ長期的な駆動因は「自然な砂礫地・砂浜の消失(河川管理・海岸浸食)」であり、これが不安定な代替地(造成地・屋上等)への依存を招いている。その上で、低い繁殖成功率をもたらす「人為的攪乱」と「天敵による捕食」がほぼ並行して重要な直接要因として作用しており、両者は相互に強め合う関係にある(攪乱による親鳥の一時離巣が捕食リスクを高める)とされる。


5.保全のために必要とされる対策

環境省指針(2014)および各地の事例に基づき、以下の対策が体系的に整理されている。

(1)繁殖地の条件整備・誘引

  • 適地評価(砂礫地であること、採餌場が近いこと、捕食者の影響が少ないこと、災害リスクが低いこと、水はけの良さ)に基づく新規繁殖地の創出。
  • 誘引策:白い砂利・貝殻による裸地の白色化、デコイの設置、コアジサシの鳴き声の音声再生。
  • 除草作業(飛来1か月前を目安に実施)、漂着物(流木・プラスチックごみ等)の撤去(ただし雛の隠れ場所として一部を残す配慮も必要)。
  • 洪水・高波を避けるための、周囲よりやや高い台地状地形の造成。

(2)捕食者対策

  • 地上徘徊性の捕食者(ノネコなど)には物理的な遮へい(フェンス等)が有効。
  • カラス類対策として、営巣地周辺での生ごみ管理の徹底、カラスが止まる構造物への止まり木防止策(水糸の設置など)。
  • カラス類・カモメ類・猛禽類を営巣地近くで繁殖させない環境管理。
  • 地域住民・工事関係者への啓発(イヌを放さない、ノネコへの餌やりをしない等)。

(3)人為的攪乱の排除

  • 周辺への周知(看板の設置、多言語対応を含む)。
  • コロニーへのロープ・杭・高さ20cm以上のネットによる立ち入り防止(雛の脱柵防止を兼ねる)。
  • 車両乗り入れの規制(千葉県九十九里浜での県立自然公園条例に基づく規制など)。
  • カメラマン・調査者への配慮要請、コロニーに配慮した低騒音・低振動の建設機械の使用、工事日程の調整(繁殖期を避けた着工・延期)。
  • 上空からの攪乱(モーターパラグライダー、ラジコン機等)の制限(米国での飛行制限区域設定を参考にした検討)。

(4)人工的な繁殖環境の創出とシェルター設置

  • 建造物屋上(下水処理場等)や人工島の造成による代替営巣地の提供(森ヶ崎水再生センター、宇都宮市の人工島などの成功事例)。
  • 雛の避暑・避難用シェルターの設置(各地で工夫を凝らした設置事例あり)。

(5)空港等、繁殖を「望まない」場所でのコロニー形成阻止

  • 草地化の促進、アスファルト乳剤の散布、ブルーシート・寒冷紗による被覆、防鳥ネット・防鳥テープ、人や犬による圧力など、複合的な阻止策(中部国際空港の事例)。ただし、これらは鳥獣保護法上、卵・雛が生じた後には基本的に実施できない点に留意が必要。

(6)モニタリングとネットワーク化

  • 全国的な飛来数・営巣数・巣立ち率のモニタリング体制の維持・強化(環境省の定点調査は平成23年度で一区切りとなっており、その後は地域団体による継続が中心)。
  • 繁殖地・中継地・越冬地の一体的な保全(国内の繁殖地だけでなく、渡りの中継地・越冬地となる東南アジア・オーストラリア等との国際協力、ジオロケーター等を用いた渡りルート解明の推進)(日本鳥類保護連盟)。
  • 餌資源(小魚)の生息環境の保全(河川・沿岸域の水質・生態系保全)。

(7)法制度・普及啓発

  • 種の保存法(国際希少野生動植物種)、鳥獣保護法(卵・雛の捕獲等禁止)、都道府県・市町村条例(福島県、石川県、京都府、鳥取県、宮崎県、神奈川県小田原市など)による法的保護の適用と実効性の確保。
  • 一般市民・レジャー利用者・工事関係者・カメラマン等、幅広い層への普及啓発活動(ボランティア向け講習会等を含む)。
  • 非常時(自然災害・人為的攪乱で放棄された卵など)の人工孵化・飼育・野生馴化・放野の検討(専門家関与のもとでの実施が前提)。

海外の事例(英国のLIFE Little Terns プロジェクト等)では、複数の主要コロニーを対象とした広域・調整型の集中管理(監視員の配置、捕食者管理、標識調査による個体群動態の把握)が個体数減少の抑制に一定の効果を上げたと報告されており、日本国内でも地域単位を超えた広域連携・情報共有の強化が今後の課題として指摘されている。


主要参考文献・情報源一覧

  1. 環境省自然環境局野生生物課(2014)『コアジサシ繁殖地の保全・配慮指針』(平成26年3月)https://www.env.go.jp/content/900491160.pdf
  2. 環境省 生物多様性センター『定点調査報告書(コアジサシなど)』https://www.biodic.go.jp/teiten/koajisasi/index.html
  3. 環境省 生物多様性センター『第4次レッドデータブック コアジサシ』https://www.biodic.go.jp/reports2/6th/6_bird_species/pdf/koajisasi.pdf
  4. 環境省『希少種とノネコ・ノラネコ』https://www.env.go.jp/nature/kisho/noneko.html
  5. コアジサシ - Wikipedia日本語版 https://ja.wikipedia.org/wiki/コアジサシ
  6. 公益財団法人日本鳥類保護連盟『コアジサシの渡りを調べる』https://jspb.org/newsite/事業内容/調査・研究-2/コアジサシの渡りを調べる/
  7. NPO法人リトルターン・プロジェクト https://littletern.net/ 、活動ブログ https://littletern.hatenablog.com/
  8. 東京都生活文化局 NPO法人台帳「リトルターン・プロジェクト」https://www.seikatubunka1.metro.tokyo.lg.jp/houjin/npo_houjin/list/ledger/0006051.html
  9. 世界アルバトロスデー&シーバードウィーク『コアジサシ|絶滅危惧II類(VU)』https://albatrossday.org/seabirds/VU/Little_Tern.html および講演会2023資料
  10. キヤノン バードブランチプロジェクト『コアジサシ:裸地で繁殖する絶滅危惧種』https://global.canon/ja/environment/bird-branch/photo-gallery/koajisashi/index.html
  11. NPO法人ふくおか湿地保全研究会『コアジサシの生態と保全活動』https://www.npo-fwcrg.org/コアジサシ
  12. 千葉県『コアジサシ|三番瀬自然環境データベース』https://www.pref.chiba.lg.jp/shizen/sanbanze/database/seibutsu/koajisashi.html
  13. ふなばし三番瀬環境学習館『コアジサシ』https://www.sambanze.jp/picture_book/detail/W-0054.html
  14. 東 陽一・桑原和之・金井裕(1996)「コアジサシSterna albifronsの営巣地の現状と保全策」Strix 14: 143-157(日本野鳥の会)https://mobile.wbsj.org/nature/public/strix/14/Strix14_16.pdf
  15. 環境省 生物多様性センター「Ⅲ.コアジサシの集団繁殖地の現状と動向」(第4次レッドデータブック関連報告)https://www.biodic.go.jp/reports/4-03/e075.html
  16. Fujita, G. et al. (2009) "Habitat management of little terns in Japan's highly developed landscape." Biological Conservation 142: 1891-1899.(環境省指針 参考文献より)
  17. Ratcliffe, N. et al. — ScienceDirect掲載論文「Effectiveness of a five-year project of intensive, regional-scale, coordinated management for little terns across the major UK colonies」https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S161713811930247X
  18. 「Full article: Chick diet in UK Little Terns」British Birds系 Tandfonline誌 https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/00063657.2024.2326405
  19. European Commission LIFE Programme "LIFE12 NAT/UK/000869 – Improving the conservation status of the little tern in the UK" https://webgate.ec.europa.eu/life/publicWebsite/project/LIFE12-NAT-UK-000869/
  20. HELCOM『Species Information Sheet: Sternula albifrons』(バルト海地域個体群動向)https://helcom.fi/wp-content/uploads/2019/08/HELCOM-Red-List-Sternula-albifrons.pdf
  21. BirdLife DataZone『Little Tern Sternula albifrons Species Factsheet』https://datazone.birdlife.org/species/factsheet/little-tern-sternula-albifrons
  22. Schekler, I., Kiat, Y., Dor, R. (2019) "Age-dependent survival rate of the colonial Little Tern (Sternula albifrons)." PLoS ONE https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6938403/(イスラエルにおける個体群、過去30年で80%減少との報告を含む)
  23. Australian Government Department of Environment『Conservation Advice for Sternula albifrons (little tern)』https://environment.gov.au/biodiversity/threatened/species/pubs/82849-conservation-advice-05032025.pdf

備考:本レビューはWeb検索で取得可能な公開資料・行政文書・NPO発信情報・学術論文の抄録等を基に作成した二次的なまとめです。個体数の詳細な統計値や査読論文の一次データについては、各出典元(特に環境省の年次定点調査報告書や Strix 誌掲載論文)に直接あたることを推奨します。また、ネコによる捕食影響については、コアジサシに特化した定量的(捕食率・頭数あたり捕食数など)な学術データは今回の検索範囲では見つからず、主に定性的な言及(脅威の一つとしての位置づけ)にとどまる点にご留意ください。

 

アカモズ(Lanius cristatus superciliosus)に関する文献レビュー

アカモズがネコによる捕食を受けているという情報をいただきました。アカモズはCRランクの絶滅危惧種であり、ネコによる捕食はその存続にとって明白な脅威です。現状をできるだけ正確に把握するために、以下のプロンプトでClaudeに検索を依頼しました。その結果を転載します。AIによる検索なので、ハルシネーションが含まれている可能性があります。ハルシネーションに気づかれたら、ぜひご教示ください。

プロンプト:アカモズという絶滅危惧種の鳥についてのレビューを手伝ってください。以下の点についての国内外の論文・出版物・ウェブ情報を集めて出典付きでリストを作成し、それぞれの情報源で記述されている事実と証拠を要約してください。(1)アカモズの生態(生活史、主な餌、繁殖地、繁殖生態、渡りのルートなど)。(2)日本国内において目撃数が多い地点とその環境の特徴。保護活動やモニタリングが行われていれば、その歴史と現状を要約する。(3)主要な天敵(捕食者)は何か? また、ネコによる捕食の情報。(4)個体数の減少の駆動因の候補とそれぞれの重要度。(5)保全のために必要とされる対策。

 

ご要望の5点について、国内外の論文・行政資料・研究機関発表・観察情報サイトを調査し、出典ごとに事実と根拠を整理しました。


(1)生態(生活史・食性・繁殖地・繁殖生態・渡り)

分類・分布 モズ科のアカモズは、ユーラシア東部の広域に分布する種 Lanius cristatus のうち、日本国内でのみ繁殖する固有亜種 L. c. superciliosus です。かつては北海道大学構内や長野市善光寺、東京都23区内をはじめ、北海道から本州にかけての多くの地域に普通に生息していました。現在、長野県内では中信地方・南信地方のリンゴ果樹園を中心に数か所に生息地が限られています。(出典:北海道大学大学院環境科学院プレスリリース/バードリサーチ助成報告書)

www.ees.hokudai.ac.jp

アカモズの生息に適したリンゴ栽培の方法は? 

chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.bird-research.jp/1_event/aid/repo/2018-001matsumiya.pdf

アカモズの分布状況

chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.env.go.jp/houdou/gazou/5879/6624/2267.pdf

渡りと越冬 日本の個体群は5月頃に日本へ渡来して繁殖し、繁殖後の9月頃にインドネシア方面へ渡って越冬します。一方で渡りルートの実態はほとんど分かっていません。足環で標識された個体が越冬域と考えられる東南アジアで再捕獲された例はなく、渡りルートはほとんど判明していません。(出典:飯田市立動物園/環境省版レッドデータブック鳥類編)

iidazoo.jp

繁殖生態 5月頃に冷涼地の疎林に渡来して樹上に営巣し、4〜6卵を雌が14日前後抱卵、約2週間で巣立ちます。長野県の保護回復事業計画資料でも繁殖は年1回で一腹卵数は4〜6卵(羽田・高橋1968)と記載されています。近年の研究では、個体数減少に伴い性比が雄に偏った結果、繁殖地への到着が遅れた雄がつがいを形成できない問題が生じていることも報告されています(Mizumura et al. 2022)。(出典:環境省RDB/長野県資料/WEB野鳥図鑑)

食性 昆虫やカエル、小鳥類などの動物質を食べます。近縁種同様、獲物を枝先に刺す「はやにえ」の習性も知られています(habataki-park.jp)。

生息環境 長野県の調査では、アカモズが選好する果樹園の条件として、比較的大きな果樹があること、地面に雑草が生育していること(草生法)、防霜ファンが設置されていること、果樹園が広範囲に広がっていることの4条件が挙げられています。北海道では石狩川流域の農耕地や石狩湾岸のカシワ防風林などが生息地とされています(環境省版RDB)。


(2)国内での目撃・生息が多い地点と環境特徴、モニタリングの歴史と現状

主要生息地 現在の生息確認地域は北海道と長野県が中心で、分布域は過去100年間で1割以下に減少し、現在は北海道と長野県に約200羽のみが確認されています。長野県資料では生息地は北海道、山梨県及び長野県のみで、長野県では貴重な繁殖地が確認されているとされ、環境は山地帯の丘陵地、低山地の明るい林やまばらに木の生えた草原に近い、中信地方や南信地方の果樹園です。

www.pref.nagano.lg.jp

特別指定希少野生動植物(アカモズ)の指定について

chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.pref.nagano.lg.jp/kankyo/shingikai/documents/3_kisho_dobutu.pdf

 

長野県野辺山高原の推移 野辺山高原では50〜60羽が恒常的に繁殖していましたが、1990年代後半に個体数が激減し(今西2002)、2005年には繁殖が確認されなくなりました。野辺山における1998年にかけた減少は越冬域の大規模な森林火災の影響と推察されましたが、その後の減少要因は明らかではありません。

希少野生動植物保護回復事業計画(アカモズ) の策定について (答申) chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.pref.nagano.lg.jp/kankyo/shingikai/documents/r080213_toushin_akamozu.pdf

北海道の推移 北海道では1973〜74年と1990年の調査を比較して個体数が減少し、札幌郊外では87%減少、札幌周辺とオホーツク沿岸域では約80%減少、石狩地方では1993年と1997年間に67%減少しました。

モニタリング・保護活動の歴史 信州大学卒業生を中心とする「長野アカモズ保全研究グループ」が設立され、大学や研究機関による県内生息状況の継続的調査が行われてきました。2021年の国内希少野生動植物種指定を受け、環境省による現地調査や関係者会議が開催され、捕食者を営巣木にアクセスさせない対策が開始されました。2023年からは環境省信越自然環境事務所、長野県、豊橋総合動植物公園、飯田市立動物園、長野アカモズ保全研究グループ、野生生物生息域外保全センター、森林総合研究所、国立環境研究所、信州大学、北海道大学などが連携する「長野アカモズ保全ワーキンググループ」が組織されています。2024〜2025年には長野県特別指定希少野生動植物への指定と保護回復事業計画の策定が行われ、おおむね5年後までにつがい数を70、10〜15年後に100まで増加させることを目標としています。北海道でも石狩市が「アカモズアクションプラン」を策定しています(石狩市資料)。

www.shinshu-u.ac.jp

現状の個体数 複数の調査年で推定値に幅があります。Kitazawaら(2020)の全国調査では、繁殖個体数は332個体、分布域は過去100年間で90.9%減少したと推定されました。その後も本州個体群は2022年時点で45つがいのみが確認され、2026年にも地域絶滅することが予測されていました。2025年の調査では長野県内の繁殖つがい数は43つがい、生息個体数は100羽未満とされています。2026年3月17日公表の第5次環境省レッドリストでは、カテゴリーが絶滅危惧IB類(EN)から絶滅危惧IA類(CR)に引き上げられました。

www.hokudai.ac.jp


(3)主要な天敵(捕食者)とネコによる捕食

長野県のリンゴ果樹園での巣の捕食者調査では、複数種が確認されています。これまでネコによる捕食が確認されていましたが、新たにアオダイショウも捕食者であることが分かりました。その他の捕食者候補として、ハシボソガラスとハクビシンが確認され、ハシボソガラスは近縁種モズの巣立ち雛を捕食した例があることから、アカモズの雛も同様に捕食している可能性が高いと考えられました。ネコとヘビでは被害の様相が異なり、ネコに襲われた巣は崩されていたのに対し、アオダイショウに襲われた巣には目立った損傷がありませんでした。

行政資料でも同様の傾向が指摘されており、人里に位置する果樹園にはネコやカラス、外来種であるハクビシンなどの捕食者が多く生息しており、卵や雛の捕食・巣の落下が繁殖失敗の原因となっているとされています。豊橋総合動植物公園のブログでも、捕食者(ネコ、ヘビ、カラス)などによって放棄された巣と卵の保護記録が紹介されています。


(4)個体数減少の駆動因の候補とその重要度

複数の資料に共通する特徴として、単一の決定的な原因はまだ特定されていないことが繰り返し強調されています。有効な保全策の確立が急務であるものの、減少要因は未だに不明であり、生息域内における対策のみで絶滅を回避できる可能性は極めて低いとの評価です。以下、候補として挙げられている要因を重要度の目安とともに整理します。

  1. 繁殖地(若齢の疎林)の減少(歴史的・長期的要因、重要度:高いと推測されるが直接証拠は限定的) 1970年代頃までは薪炭林のような樹齢の若い森林が国内に豊富に存在し、疎林を選好するアカモズにとって好適な生息地だった可能性があり、樹齢の若い森林の減少がアカモズの生息地減少に影響した可能性がある(Yamaura et al.)との仮説が示されています。ただし同資料は本亜種の減少要因については詳しく明らかになっていないとも明記しています。

  2. 捕食圧の増加(現在進行形の要因、重要度:高い=直接的な繁殖失敗要因として重点対策の対象) 人里の果樹園でのネコ・カラス・ハクビシン等による卵・雛の捕食や巣の落下が、繁殖失敗を通じて個体数減少の一因となっている可能性が指摘されています。長野県の保護回復計画でも、哺乳類による捕食が多かった時期に設置した波板に一定の効果が認められ、繁殖成功率の向上に寄与したと考えられています。

  3. 性比の偏り(個体数減少の二次的・悪化要因、重要度:中〜高、絶滅の加速要因) 個体数が激減した個体群では雌より雄の割合が高くなり、繁殖地への到着が遅れた雄がつがいを作れない問題が発生している(Mizumura et al. 2022)という、いわゆるアリー効果(少数個体群での繁殖成功率低下)が指摘されています。

  4. www.hokudai.ac.jp

  5. 渡りルート・越冬地(東南アジア)の環境変化(重要度:不明だが潜在的に重要、研究上の優先課題) 亜種アカモズは東南アジアで越冬すると考えられており、減少の原因は渡りルート上や越冬地に存在する可能性もあるとされ、渡りルートや越冬地の解明が、危機的減少をもたらした要因の特定につながる可能性があると論じられています。実例として、野辺山における1998年にかけての減少は越冬域の大規模な森林火災の影響であると推察されたケースがあります。

  6. 観察者・撮影者による人為的攪乱(局所的だが繁殖成功率に直接影響、重要度:中) 長時間の観察行為により天敵に巣の場所が見つかってしまうことがあり、過去にも警戒行動が続いた結果アカモズの生育に悪影響を及ぼした事例が報告されています。観察者や撮影者がアカモズの繁殖に立ち入ることで親鳥が抱卵やヒナへの給餌をやめてしまう事例なども確認されています。

全体として、公的資料は決定的な単一要因を挙げておらず、生息地質の長期的劣化(歴史的・構造的要因)と捕食圧(現在の直接的要因)が対策の中心に、性比の偏りや越冬地の問題が今後解明すべき優先課題として位置づけられている、という整理になります。


(5)保全のために必要とされる対策

生息域内保全(in-situ)

  • 営巣木への捕食者アクセス防止措置(波板の設置など):哺乳類による捕食が多かった時期に設置した波板には一定の効果が認められています。
  • センサーカメラによる捕食者分布調査:アカモズの繁殖地におけるセンサーカメラを用いた捕食者の分布調査を実施しています。
  • 繁殖状況の継続モニタリングと巣の探索:繁殖つがいや巣の探索・モニタリング、対策の設置には多くの労力と期間を要するため、他の繁殖地へ展開するには技術確立と体制構築が必要とされています。
  • リンゴ果樹園の管理方法の提案(草生法・防霜ファン設置等):今後、栽培方法の異なる果樹園間で繁殖成績・餌資源・天敵と捕食圧を比較し、アカモズの生息に適した栽培管理方法の解明を試みています。
  • 観察・撮影マナーの普及啓発:観察は十分な距離を取り短時間にとどめること、巣を見つけても近づかないこと、農地や私有地に立ち入らないことなどが呼びかけられています。

生息域外保全(ex-situ)

  • 放棄卵の保護と人工孵卵・育雛:2025年は長野県内のモニタリングで43つがいを確認し、外敵の影響などで親鳥が放棄した巣に残された37卵を保護、人工孵卵・人工育雛により9羽を育成しました。

    www.nonhoi.jp

  • 飼育下繁殖基盤(ファウンダー群)の形成:現在飼育している個体をファウンダー(始祖個体)として、今後飼育下での繁殖を計画しています。
  • 近縁種モズを用いた放鳥技術の確立試験:野生生物生息域外保全センターで近縁種モズの自然繁殖を試み、長野県内にアカモズ放鳥用ケージを設置してモズ幼鳥の飼育・試験放鳥を行い、発信機による追跡で野生下での定着を確認しました。
  • リスク分散のための複数施設飼育:感染症や災害による全滅を防ぐ分散飼育の観点から、飯田市立動物園が豊橋総合動植物公園からアカモズ2羽を導入しました。

法制度・行政的枠組み

  • 種の保存法に基づく国内希少野生動植物種指定(2021年)、環境省レッドリストの絶滅危惧IB類(EN)から絶滅危惧IA類(CR)への引き上げ(2026年3月)。
  • 長野県特別指定希少野生動植物指定と保護回復事業計画の策定:おおむね5年後までにつがい数を70、10〜15年後に100にまで増加させ、県内で安定的に生息できる環境形成を目指しています。
  • 北海道石狩市の「アカモズアクションプラン」策定など地域単位の取り組み。

多主体連携体制 国(環境省信越自然環境事務所等)、長野県、動物園(豊橋総合動植物公園・飯田市立動物園)、大学(人間環境大学・信州大学・北海道大学)、研究機関(森林総合研究所・国立環境研究所)、市民団体(長野アカモズ保全研究グループ)等が連携するワーキンググループ体制が構築されています。

残された課題

  • 減少要因(特に越冬地・渡りルート)の科学的解明が不十分。
  • 対策の他地域への展開には人員・予算・技術基盤の確保が必要。
  • 生息地情報の非公開徹底など、保全と情報公開のバランス。

主な参照情報源一覧

  • Kitazawa M, Senzaki M, Matsumiya H, Hara S & Mizumura H (2020/2022) Drastic decline in the endemic brown shrike subspecies Lanius cristatus superciliosus in Japan. Bird Conservation International.
  • 羽田健三・高橋庸子 (1968) アカモズの生活史に関する研究I. 繁殖期. 日本生態学会誌18.
  • 今西貞夫 (2002) 長野県野辺山高原におけるアカモズの繁殖個体数の激減. 山階鳥類研究所研究報告34.
  • 環境省版レッドデータブック鳥類編(ikilog.biodic.go.jp)
  • バードリサーチニュース「絶滅危惧鳥類アカモズはどこに何個体いるのか?」(db3.bird-research.jp)
  • 松宮裕秋ほか「アカモズの生息に適したリンゴ栽培の方法は?」(bird-research.jp助成報告書)
  • 長野県「希少野生動植物保護回復事業計画(アカモズ)の策定について」および観察・撮影マナーページ(pref.nagano.lg.jp)
  • 北海道大学大学院環境科学院プレスリリース(ees.hokudai.ac.jp)
  • のんほいパーク・人間環境大学・信州大学・飯田市立動物園の各保全活動報告
  • 石狩市「アカモズアクションプラン」(city.ishikari.hokkaido.jp)

 

離島部以外でのネコによる野生動物の捕食に関するレビュー

日本で離島部以外でのネコによる野生動物の捕食に関してどの程度の証拠があるか、ChatGTPに聞いてみました。

 

矢原:野外にいるノネコやイエネコが生態系に与える脅威については注目度が高い話題ですが、判断材料となる客観的証拠は、日本ではかなり限られています。根拠にもとづく冷静な議論を呼びかけるために、日本でこれまでに得られている証拠をレビューする作業を手伝ってください。まず、添付の論文(金ほか2014)を引用している論文や記事を検索し、さらに関連するウェブ上の記事を検索して、ノネコやイエネコが野生動物をどの程度捕食しているかについての資料を出典付きでリストし、それぞれの資料で判明している事実を簡単に要約してください。 

AI:論文の内容を確認したところ、この論文は日本のネコ問題を考える上で重要な位置づけにありますが、実際に得られたデータ考察で引用されている推定が混在しているため、レビューではこの二つを分けて整理する必要があると感じました。

例えば、この論文から実証データとして引用できるのは、

  • 神奈川県自然環境保全センターの5年間・3,161件の傷病鳥獣記録を解析したこと
  • 保護された鳥獣の約10%がネコによる襲撃だったこと
  • ネコによる被害の約99%が鳥類だったこと
  • 地上採餌性鳥類や巣立ち直後の幼鳥が多く被害を受けていたこと
  • 飼い猫が持ち帰る獲物は住宅地では都市鳥・昆虫、農村ではネズミ類が多かったこと
  • 半数以上の獲物は食べられずに放置されていたこと

などです。

一方で、

ネコ1頭が年間約60頭捕獲するという仮定から住宅地では132頭/ha・農村では21頭/haが捕食される

という値は本研究で測定した結果ではなく、1頭の猫の記録を参考に置いた仮定から計算した推定値であり、著者自身も「この一例だけから捕獲数を推定するのは危険」「今後の研究が必要」と明記しています。

この点は、後年の論文や報道でこの数字だけが独り歩きしていないか確認する必要があります。

このレビューの進め方

私は次のような形で、日本のエビデンスだけを整理したレビューを作ることを提案します。

段階 内容
① 被引用文献調査 金ほか(2014)を引用した論文・学位論文・行政資料・報告書を網羅
② 引用内容の確認 この論文のどの結果が引用されているかを確認
③ 日本の新しい研究を追加 2014年以降の国内研究(沖縄・奄美・小笠原・本州など)を整理
④ Web記事の確認 新聞・行政・団体の記事が論文をどう紹介しているかを確認
⑤ エビデンス評価 「捕食記録」「捕食率」「個体群への影響」「絶滅リスク」を区別して評価

最終成果物

最終的には、例えば次のようなレビュー表にまとめます。

文献 対象 方法 判明した事実 エビデンス
金ほか(2014) 厚木市 救護記録・アンケート ネコに襲われた傷病鳥は保護鳥の約10%、地上採餌種・幼鳥が多い ★★★★☆
○○(2017) やんばる 糞DNA 絶滅危惧種○種を確認 ★★★☆☆
○○(2020) 徳之島 GPS・糞分析 野生哺乳類の捕食割合を定量化 ★★★★★

さらに、各論文について

  • 実測値
  • 推定値
  • 仮定
  • 著者が述べた限界

まで区別して記載し、「どこまでが客観的事実で、どこからが推論か」が分かるレビューにしたいと思います。

この次の段階では、金ほか(2014)を引用している論文・報告書・記事を網羅的に検索し、それぞれがこの論文をどのように引用しているかを整理していきます。これにより、日本国内でこの論文の結果がどのように解釈・利用されてきたかを客観的にレビューできます。

 

植物学者がなぜ小説『花神(かがみ)戦記』を書いているのか?

物語投稿サイトTALESで科学ファンタジー小説『花神(かがみ)戦記』を連載中です。

植物学を題材にした小説には、上橋菜穂子『香君』、三浦しをん『愛なき世界』という名作があります。しかし、これらの小説に登場する植物はごくわずか。この世界には、もっとたくさんの魅力的な植物がある!

そして、この世界には、まだ誰にも知られていない新種の植物がたくさんある!

驚くほど変化に富む花の世界の魅力と、新種を発見する興奮を伝えたくて、この物語を書きました。

さらに、『花神(かがみ)戦記』には、古事記の神々や、さまざまな土地神が登場します。『花神(かがみ)戦記』は、科学と神話をつなぐ物語です。

さらに、さらに、『花神(かがみ)戦記』は「夢の世界」の謎を解く物語です。ファンタジー小説でよく登場する「夢の世界」。もしそれが実在するとしたら・・・。

読み進めれば、「夢の世界」の謎が深まり、きっと続きが気になって仕方なくなるはずです。

あらすじ:入学式の日、少女は「夢の続き」に足を踏み入れる

主人公は、憧れの伊都大学に入学したばかりの女子学生・房桜知花(ふさざくら ちか)。彼女には、幼い頃から繰り返し見続けている不思議な夢がありました。その夢の中で彼女は、薬草や希少な花の自生地を守る「花守」を志す学生として、異世界の花学校に通っています。

ところが入学式の日、大学構内の保全緑地を歩いていた知花は、あまりの既視感に立ち尽くします。目の前に広がる草原、きらめく小川、丘の稜線──すべてが、あの夢の中の光景とまったく同じだったのです。そして気づけば彼女の意識は、夢の世界の「知花」へと完全に同化していきます。

現実と夢が交差するこの導入部で、一気に物語世界へと引き込まれるはずです。

見どころ①:実在の植物の知識が、そのままファンタジーの魔法になる

この作品最大の特徴は、なんといっても植物学の知識を土台にした世界観です。セリ、シロバナサクラタデ、エビネといった実在の野草や山野草が、単なる背景ではなく、物語の核心を担う「花神(かがみ)」として登場します。

例えば作中では、シロバナサクラタデが同じ株の中での自家受粉を避けるために、雌しべと雄しべの長さが異なる二種類の花を咲き分けるという、実際の植物の繁殖戦略が丁寧に描かれます。こうした本物の生態の知識が、そのまま「花には精巧な仕組みが宿っている」という物語のテーマへとつながっていく構成は、読んでいて素直に「へえ」と唸らされるはずです。植物好きな人はもちろん、科学が苦手な人でも、自然と知識欲がくすぐられる仕掛けになっています。

見どころ②:凛とした先輩・愛さんとの絆、そして胸のすくアクション

夢の世界で知花の指導役となるのが、花学校の先輩・蓼原愛(たではら あい)さん。明るく朗らかながら、花を深く知る者だけが持つ落ち着きを漂わせる魅力的なキャラクターです。彼女が乗馬用の鞭を携えている理由や、指導教官との軽妙なやり取りなど、クスッと笑えるユーモアも随所に散りばめています。

しかし物語は牧歌的な雰囲気のままでは終わりません。花を奪う謎の存在「花狩人」が現れ、二人は突然の戦闘に巻き込まれます。知花が父から受け継いだ「神宮寺流杖術」を武器に、とっさに木の枝から杖を作り出して立ち向かうシーンでは、静かな植物観察のシーンから一転して緊張感が高まります。

見どころ③:奪われた花の跡に漂う、切なさとミステリー

戦いの後、二人が向かった先は、かつてエビネの自生地だった場所。しかしそこには一株のエビネも残っておらず、掘り返された土の跡だけが点々と残されていました。大切な自生地を奪われた悔しさに涙を滲ませる愛さんの姿は、この作品の芯にある「自然を守るとはどういうことか」というテーマの重みを静かに伝えています。

「花狩人」の正体は何者なのか。知花が持つという「力」とは何なのか。そして、夢の世界と現実の伊都大学は、いったいどうつながっているのか──第一話の時点で、いくつもの謎が浮かびあがります。

植物の面白さとファンタジーのロマンが両立した『花神戦記』は、ジャンルを問わず楽しめる新感覚の物語です。第一話「花狩人あらわる」を、ぜひTALESで実際に読んでみてください。夢と現実の境界が交差する、知花の物語がそこから始まります。